黒織部 呼継茶碗 江戸初期 桃山期

桃山期、元屋敷窯の黒織部の陶片7片で呼継された茶碗です。いちばん大きな陶片が見込みを含む口縁までありますので痛々しさがありません。直しは口縁、胴、高台付近は本銀が時代で燻銀になりかけ、見込みは朱漆の上から黒漆で仕上げてあり、茶の湯の実用使いができるような心憎い美しい直しです。いちばんの景色は盛期黒織部茶碗に多い腰が張ったおおらかな沓形、鋸歯文のような幾何学に象嵌し、中へ長石釉、口縁も長石釉と鉄釉の重ね掛け、高台には元屋敷に多い「V」の窯印。黒くするために焼成中に外へ引き出した際に茶碗についた鋏跡など、どれも盛期織部の熱量が伝わってきます。

まだ豊富に古窯陶片が入手できた時代に呼び継されたのでしょうか、元屋敷の同じ肌の黒織部陶片で継がれています。

見込みはたっぷりの茶だまりがあり気持ちよく茶が立てられます。

口径 13.3㎝×12.5cm 高さ7.4㎝
付属品 箱、傷んだ仕覆

次のコレクションのために手放します。価値を共有いただける方へ渡れば幸いです。入札、落札価値によっては取り消す場合もあるかもしれません。そこを了承いただいたものとして入札をお受けいたします。何卒よろしくお願いいたします。

※同時に桃山時代の志野呼継茶碗も出品しています。
ご覧いただければ幸いです。